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工法の概要

環境パイル工法とは

本工法は、円柱状に成形した木材を圧入専用重機にて地盤中に無回転で圧入し、これを地盤補強材(杭材)として利用する工法です。

工法の特徴

本工法は地盤補強材として天然材料である木材を用いたエコロジーな工法です。

工法の利点

CO2削減

従来の戸建住宅における地盤補強工法はセメントや鋼材を使用するものが多く、それらはその材料製造段階で1トンあたり約0.8~2トンものCO2を排出していることから、1棟あたりのCO2の排出量は概ね8トンにもなります。自然材料である木材を地盤補強材として利用することによって、環境負荷の軽減が図られ、当工法を採用することにより、1棟あたり約10トンのCO2を削減できます。

高い品質

従来の木杭を用いた地盤補強技術は、腐朽やシロアリ等の影響が懸念され、耐久性に問題があると考えられていました。本工法では、常水面(地下水位)以浅での木製補強材(杭材)の利用を可能とするため、JAS認定品もしくはAQ認証品である防腐・防蟻処理を施した木製補強材を用います。

確実な施工管理

木製補強材の確実な支持能力を確保するために、施工時の圧入による品質管理も確立し、地盤補強工法の第三者性能証明も取得しました。木材を利用した地盤補強材の性能証明は業界で初です。

環境パイル工法

工法の手順

  1. 地盤補強材の建て込み

    地盤補強材を吊り、補強材芯に合わせます。

  2. 地盤補強材セット

    補強材芯に補強材を合わせ、鉛直性を確認します。

  3. 圧入

    無回転により補強材の圧入をします。

  4. 打設完了

    打ち止め深さに達したらロードセルにより圧入力が目標値に到達したか確認し打ち止めます。

従来工法との比較

対比項目 環境パイル工法 従来の工法
耐久性能

本工法では耐久性を向上させるため、防腐・防蟻処理を施しております。
なお、耐久性に関しては暴露試験を実施し、確認済です。

常水面(地下水位)以浅の部分では耐久性に著しく問題があるとされています。そのため、地上二階建て以上の建物では地下水位以浅で用いることが困難です。

支持力性能

複数回の載荷試験を実施することにより支持力係数を設定しました。また、本工法では支持力のばらつきをなくすため、あらかじめロータリー加工により円柱状に成形された材料を使用しております。

形状が不均一であり、施工方法も確立されておらず、経験則により設計が行われていたため、支持力のばらつきがありました。
環境性能

材木はその成長過程で光合成を行うことで、0.25t/m3程度の二酸化炭素を吸収するうえ人口材料と異なり製造過程で二酸化炭素を排出しません、大変エコロジーな工法です。

一般的な地盤補強康応としては、鋼材やセメント系固化材を用いるものが多いですが、それらの製造時及び施工時には二酸化炭素を排出します。(鋼材約2.0t、セメント約0.8t)

施工性能

本工法では、圧入専用の重機により圧入力を管理することで施工を実施します。鉛直性や打ち止め管理等従来工法に比べ飛躍的に精度が向上しました。

バックフォーで衝撃荷重を与えた貫入するため、鉛直性能等に懸念があります。

公的認証

財団法人日本建築総合試験所の建築技術認証・証明事業実施要領に基づき、防腐・防蟻処理木材による地盤補強工法「環境パイル工法」の技術内容について下記の通り証明されました。

技術概要

本技術は、円柱状に成形した木材を圧入専用重機にて地盤中に無回転で圧入し、これを地盤補強材として利用する技術である。本工法では、常水面(地下水位)以浅での木製地盤補強材の利用を可能とするため、JAS認定品もしくはAQ認証品である防腐・防蟻処理を施した補強材を用いることとしている。また、補強材の確実な支持性能を確保するために、施工時の圧入力による品質管理を行うこととしている。

開発趣旨

従来の木杭を用いた地盤補強技術は、腐朽やシロアリ等の影響が懸念され、耐久性に問題があると考えられていた。また、設計を行う際に必要な支持力係数等が明確でないため、経験則により杭配置を行っていた。これらの問題点を解消するため、本工法では、円柱状に成形した木材に防腐・防蟻処理を施すことで耐久性を向上させるとともに、載荷試験結果に基づいて設計に必要な支持力係数を設定している。さらに、自然材料である木材を地盤補強材として利用することによって、環境負荷の低減を意図している。

環境パイルS工法とは

本工法は小規模建築物に用いる複合地盤補強工法です。環境パイル工法と異なり、補強材固有の支持力に地盤支持力を加えることで複合的に地盤を補強し、建築荷重を支えます。

工法の特徴

複合地盤として地盤全体の支持力剛性が向上するため、基礎作用する応力は補強材に集中せず、適切な配筋量・断面での設計が可能となります。

工法の利点

支持力の向上

地盤の支持力を加えることで、従来以上の支持力を設計することが可能です。

高耐久の実現

加圧注入木材保存処理をすることで高耐久を実現しました。

環境への配慮

「天然材」を使用することで、CO2を削減し、六価クロム等による環境汚染もありません。

優れた施工性

現場でも支持力の妥当性が確認されました。これにより、確実な施工を現場にて行うことができます。